Niko Kralj (ニコ・クラリ)は、1960年代にバルカン半島のモダニズムを体現したデザイナー。その作品は多様で、当時の世界的なデザインの趨勢を学びながら、独自のスタイルを確立しました。
その現れのひとつがこのアームチェア。一見すると、ピエール・ガーリッシュかと思ってしまいそうなほどラブリー。でも、オフィスチェア的な用途を意識したのか、座ってみると身体にジャストフィット、オーク材を使ったアームレストの位置も言うことなし。堅牢で汎用性が高く重量もあります。デスクや食卓はもちろん、単体でもキリリとした美しさを楽しめます。
製作は1960年代、Stol Kamniというユーゴスラヴィアを代表した家具メーカー。座面裏には当時のステッカーが残っています。脚にペイントの剥げが見られますが、経年を考えると、ファビリックやウレタンも健在。北欧やフランスのデザインにはないアトモスフィアが感じられます。

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