たった４号で廃刊となった伝説的な雑誌『EROS』

1962年　ラルフ・ギンズバーグがハーブ・ルバリンと共にLove&Sexをテーマに創刊。
4号目まで発行されましたが、センセーショナルな内容が議論を呼び、ギンズバーグは有罪判決を受けあえなく廃刊に。
しかし、扱う内容は政治、アート、文化、心理学、人種、ジェンダー…ポルノグラフィだけでないインテリジェントでユーモラスな文章、スタイリッシュな写真、イラスト、目を引くエディトリアル・デザインとブックデザインに今でも根強い人気があります。

ギンズバーグの出所後、2人の共犯関係は｢fact:｣「AVANT GARDE」へと続きます。なお、グラフィックデザイナーとしても、タイポグラファーとしても先駆者的な存在だったルバリン。現在でも見かけるアヴァンギャルド・ゴシックのタイプフェイスは「AVANT GARDE」の為に彼が生みだしたものです。今見てもなおかっこいい！と思わせられる雑誌達です。

EROS Winter,1962,Volume One,Number Four
◆I(25.4cm×33cm P96 Hard-Cover)
EROSでは４号全てにわたり紙面に使われる紙や印刷も、記事によって使い分けられています。公民権運動への関心が特に高まった時代、人種を超えた愛を肯定したカラーの８ページのは圧巻です。また、ビート文学の一人であるアレン・ギンズバーグの文章や、Summerの号に続きレイ・ブラッドベリの書き下ろし短編"The Long-After-Midnight Girl..."も収録されています（そのページのデザインもエッジが効いてかっこいい！）。
また、写真でご紹介できませんでしたが、見返しはハーブ・ルバリンの手書きのカリグラフィーで構成されています。隅から隅まで挑発的な雑誌です。

裏表紙に水しみ、修正液のような白が点在して付着しています。
背表紙に破れ四隅にあたり
中、若干日焼けしているような箇所もあります。落書きのある２P、消しゴムが使用された跡が一部見受けられるページが１Pそれぞれ写真ページにありますが風合いを損なうものではありません。他状態良好。

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