タピオ・ヴィルカラがデザインした非常にグラマラスなグラスオブジェ。1955年製で、モデルNo.3550(1952-59)タイプによく似たタイプのもの。

厚みのあるクリスタルガラスの表面に美しくラインカットが施された作品です。
彼の名作「カンタレッリ("Kantarelli"1952-57)」はアンズタケの名前を冠したものでしたが、こちらのしなやかなフォルムはどこか植物のカラーを彷彿とさせませんか？細かな間隔で刻まれたラインの視覚効果が、小ぶりながらその伸びやかなフォルムをよりドラマティックに演出しています。

タピオ・ヴィルカラはガラスについて深く知るために実際にその製造を現場で学んだそうです。その深い理解と職人の卓越した技術への信頼を以て、ガラスの表現の可能性を押し広げることができたデザイナーだったのでしょう。

コンディション良好。
底面カットサイン"TAPIO WIRKKALA -IITTALA-55"