ウズベキスタンの「スザニ」とは刺繍が施された装飾布のこと。中央アジア周辺に根付く文化で、そのスタイルは色々です。もともとは女性が嫁入りの際に刺繍を施し、嫁ぎ先に持って行くものなのだそうで、様々なストーリーを持つクラフト・アイテム。
壁に掛けたりカバーにしたり装飾的に使うもので、現在では機械で刺繍されたスザニもありますが、今回持ち帰ったものはどれも40〜50年ほど前の手刺繍アイテム。どれもユニークで個性溢れるものばかりです。

黒と赤色のコントラストが目を引くこのスザニは、古くこの地域がイスラム教よりずっと以前に信仰していたというゾロアスター教(拝火教)をテーマに意匠された図柄で、ウズベクの人はこのスタイルのスザニを、おおまかに"ゾロアスター・スタイル"と呼んでいます。
赤い部分は「火」や「太陽」といったものを表しているのだとか。黒い部分は「鳥の羽根」で、幸運と成功を示すもの。プリミティブな魅力にあふれるもので、そのグラフィカルな様子はアレキサンダー・ジラルドの世界を彷彿させます。
えんじ色、赤色、黒色の3色のみで構成されたスザニ。なぜか一カ所にだけスパンコールが付けられています。キラリとユニーク。
古い布製品なので、経年相応の汚れと使用感はあります。また刺繍糸が毛羽立っているところもありますが、風合いは損なっていません。
裏面には当て布が施され、しっかりとしています。

綿布×綿糸刺繍
152cm×136cm
uzbek craft HANDMADE EMBROIDERY ウズベキスタン 中東 アジア イスラム 刺繍 テキスタイル スザニ vintage Suzani Zoroaster ゾロアスター 170625