ウズベキスタンの「スザニ」とは刺繍が施された装飾布のこと。中央アジア周辺に根付く文化で、そのスタイルは色々です。もともとは女性が嫁入りの際に刺繍を施し、嫁ぎ先に持って行くものなのだそうで、様々なストーリーを持つクラフト・アイテム。
壁に掛けたりカバーにしたり装飾的に使うもので、現在では機械で刺繍されたスザニもありますが、今回持ち帰ったものはどれも40〜50年ほど前の手刺繍アイテム。どれもユニークで個性溢れるものばかりです。

こちらは珍しい、綿布にシルク糸で刺繍が施されたもので、スザニを譲ってくれたウズベク人が "Tree of paradise" と説明してくれた一枚。
生成り綿布2枚を継いだ正方形の布に、まっ赤なザクロの実が画面いっぱいに構図された"絵"のようなスザニです。今回かなり多くのスザニを見ましたが、このような"Family Tree"デザイン・タイプのものはこれの他にほとんど見ませんでした。スティグ・リンドベリのテキスタイルデザインや、メキシコのフォークアート的な要素にも近い印象で、クラフトとモダンなバランスを兼ね備えた、希少な逸品。
「ザクロの実」は、子だくさん=繁栄を意味しています。

古い布製品なので、経年相応の日焼けと変色があります。手刺繍の糸がやや緩くなりかけた部分も数カ所ありますが、ひどい状態ではありません。経年相応、刺繍もトータルにはステディなもの。おすすめする1枚です。
91cm×96cm
uzbek craft HANDMADE EMBROIDERY ウズベキスタン 中東 アジア イスラム 刺繍 テキスタイル スザニ vintage Suzani 170625