W535×D595×H886/前方SH375mm,後方SH328mm

「国民国家」としてのフィンランドの歴史は、実はとても新しい（今年がちょうど独立して100年！）。それに、他のヨーロッパと違い、国王がいなかったことも興味深い（アメリカに似ている）。ヴァナキュラーな地方性と、自由と平等へのあこがれが同居しているのだ。そこが面白い。ヨーロッパの亜周辺だからこそのスタンスが、デザインにも表れている。この”マドモアゼル・チェア”は、フランスへの憧れと批評性が同居したキッチュな感覚が見事にバランスしている、コケティッシュでハイブリッドなのです。経年による塗装の剥げや、擦れ、傷が見られますが、オリジナルのグレー色と相まったヴィンテージ感が楽しめます。

正面から見て背もたれの右から4本分の上部は一部接着剤が弱まり、持ち上げると浮く箇所があります(写真をご参照ください)。また、背のポールが長い椅子はもたれかかると軋むコンディションのものが多いのですが、こちらはポールの下方もしっかり固定されていてそのようなこともありません。他、板座面の継ぎ目に割れが見られる箇所がありますが、構造上通常の使用では問題のないものと判断します。

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ILMARI TAPIOVAARA "Mademoiselle" Chair 170820