カチナは、アリゾナ州のネイティブ・インディアンの部族のひとつ、ホピ族が信仰する超自然的な精霊です。カチナを立体的にかたどった「カチナドール」は、もともと子孫に伝える教材のようなものでしたが、20c初頭より芸術性の高まりとともに広がり、今ではイームス夫妻の邸宅に飾られていたり、デザイナーのアレキサンダー・ジラルドが蒐集していたことでも知られています。

全てハンドメイドで製作されるカチナ。伝えられている姿形には決まりがありますが、作り手の技量と個性によって生み出される「カチナドール」は、どれひとつ同じものがないユニークなアートピースです。

こちらのカチナドールは今回入荷した他のタイプに比べ、シンプルな造形をしています。製作年代は不明ですが古いものです。

頂点に穴が開いていますが、当初は羽がついていたのでしょう。また、髪(?)の根本に接着剤が見られますが、製作時のものかリペアされたのか、判別はつきません。コットンウッドの根を使用するカチナはとても軽く、削り出しやすい柔らかい素材。そのため、特に古いものになると欠けや割れなどが多く見られますが、こちらは大きな損壊もなく、経年変化も合わさり風合いが増しています。

底には"KACHINA MADE"とマーク状の焼き印が押されています。
製作者は不明ですが、太陽のスタンプはホピ族のカチナドール製作者Abbott Sakiestewaが使用していたものと同じため、おそらく彼の作品と思われます(その場合、50~60s頃の作品の可能性)。

高さ20.7cm
180115 カチナ カチナドール カツィナ Katsina Kachina Katcina