あたたかみのあるデザインを得意としたフレイドル・チェルベリーが"ライスポーセリン"シリーズを発表したのは1942年の事でした。
エレガントな透かし模様が唯一無二のテーブルウェアは、非常に薄いセラミックの表面にハンドメイドでライス型の小さな穴を開けて一度釜に入れた後、さらにその上からガラス釉薬を塗って再び焼き上げるという非常に高度で手間のかかる手法を用いて作られています。構想から約10年かけてこの技法を確立したと言われています。

そんなチェルベリーの惜しみない努力と情熱を注ぎ込んだライスポーセリンは1942年の発表直後、人々からの大きな賞賛の声と共に大きな商業的な成功を収めます。残念ながらこのシリーズは1974年にARABIAがスウェーデンのローストランド社との経営合併をしたことにより一旦生産中止となりますが、その後多くの人々からの支持を受け、1984年に同シリーズが再度ARABIA社より復刻生産されることとなります。いわば、アラビア社の代表的作品のひとつ。

大きなスクエア・テーパード型のボウルは、透かしの"大輪の花模様"がおおらかで柔らかい雰囲気。シャープなスクエア型ではなく、ガラス釉薬の表面でこぼことした質感が残っています。そんなオーガニックなボディに対して濃紺の高台(レアな初期バージョン)がコントラストを生み、クラシカルな印象をたたえた作品です。

裏面にはよく見ると、サインがほどこされています。
目立つダメージもなく、使用感も少ない状態良好なヴィンテージ。


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