フランスの陶芸作家、Danielle et Jacques Ruelland (ダニ・リュエラン[1933-]とジャック・リュエラン[1926-2008])の作品。
同時代に活躍した陶芸家ジョルジュ・ジューヴのシリンダー作品にも近似値の、ベースです。
とはいえやはり"似て非なるもの"。ジューヴ作品より一層細くスッと伸びる円柱型で、まるで地面からニョキっと生えてきた生き物のような佇まいがあります。独特な艶やかさと丸み、カラーコンセプトといいい、まさに後期のリュエランらしいエッセンスが見てとれる作品。そう、こちらは1970年代以降、彼らがパリを離れAurelという田舎で構えたアトリエで制作したもの。
リュエランの作品といえば1950年代〜1960年代頃の明るいオレンジや黄色といったポップな色合いに、コロンとした曲線を描くオーガニックなフォルムのものが知られていますが、1970年以降・中期〜後期頃に焼かれた作品は、こういった白や黒、渋めのダークカラー、ふんわりとグレイッシュトーンに釉薬変化する作品が中心で、ひと味違う魅力を放ちます。

この深いうぐいす色をしたベースは、ボリュームのあるコンディション良好な作品で、とても希少です。
ボディ表面には目をこらすと貫入あり、表面には経年相応の小キズが見られます。他には目立つダメージなし。
裏面には"Ruelland"のサインあり。