1950年代から60年代を中心に、フランスで活躍した夫婦の陶芸作家、Danielle et Jacques Ruelland (ダニ・リュエラン[1933-2010]とジャック・リュエラン[1926-2008])。
リュエラン夫婦の緻密な共同作業から生み出された作品です。

リュエランの作品スケッチに"足(高台)付きのボウル"と記されたもの。おそらく70年代の作品。
ほんのりと傾いだような形は、7、80年代に見られるオーガニックな印象の作品群と同じ柔らかい印象です。
全体を覆うアイボリーの釉薬にはグレイッシュな土の色がうっすら浮かび上がり、奥行きを感じる仕上がり。

側面には内外共に2.8cm長さのひび(口縁から2mmは貫通していますが、それ以上は貫通していません)と、反対側の縁に6×3mmサイズの釉薬の乗っていない箇所が見られます。まるで意図したかのように見えなくもないダメージは、焼成の具合から製造過程でのものと分かります。景色として愛でてあげてください。使用感、経年相応のダメージ類は見られず、綺麗なコンディション。
裏面には"Ruelland"とサインあり。