イルマリ・タピオヴァーラが1952年にデザインした珍しいスクール・チェアです。
一目でタピオヴァーラ節が感じられる形なのですが、一般ユーザー向けのものとはまったく違う自由な”こしらえた感”がありませんか？学校の椅子によくある面白みに欠けた統一感とは違う”フェティッシュ”な味わいというか...。
短い肘置きや、シートハイの高さからすると、高校生から大学生用だったと想像しますが、そもそもプラスティック素材の椅子も登場し始めた時代に、あえて木だけで製作するところにフィンランドらしさを感じてしまいます。
浅いシートに座り、背板に体をぴったりあずけると、なんだか背筋が伸びるようです。
こちらはパーツを組み直しメンテナンスを施したものとなります。L字型の接合部に、補強のための木釘と木ねじが見られます。また、経年相応の傷などがありますが、木材の色合いを含め、捨てがたい魅力を失っていません。ムーミンとサンタの故郷Poliにある Ekwall Companyで当時製作されたものです。

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