彼を紹介する言葉に「陶芸家」はいささか限定的すぎるかもしれません。
ミラノに工房を構える作家グイド・デ・ザン(1947-)、陶芸を中心に、エッチング、写真、画家に作家といったように、彼の表現のスタイルは実にさまざまです。
彼の盟友ブルーノ・ムナーリは彼のことを、形を生み、そこからそれぞれの形に合わせた質感を生み出そうと試みる稀有な陶芸家だと評しました。かれは「造形作家」なのです。

薄く細長く上に伸びた、柔らかな白の彫刻作品。
どこかジャコメッティを彷彿とさせます。ジャコメッティのあのゴツゴツとした細い人物像は本人が「人体の空虚さ」を表現した、と言及しています。

グイドはどうでしょう。
白のクレイで作られた人物は、小さな丸メガネをかけ、前髪を綺麗に揃えてカットして背筋をぴんっと伸ばして遠くを見上げています。そこから想像する人物像は、家族や友人のような唯一無二の"ひとり"に近いのかもしれません。
2011年の作品です。



Figura Statue