ドイツのキッチンウェアのメーカーWürttembergische Metallwarenfabrik (WMF)から、こちらはおそらく50年代に製造されていたワイン＆シャンパンクーラー。
真鍮メッキで仕上げられており、全体的に淡いゴールドのような柔らかいカラーで、特に内部にそれを感じられます。
ただ、こちらの真鍮メッキは変色しやすいという特徴があるため、経年により色味に濃淡が見られます。特に開口部と持ち手のあたりは赤みを帯びたコッパーのニュアンスがまだらに浮かんでいます、画像でご確認ください(画像3枚目)。

WMFにおけるメッキ技術は古く、1853年に会社設立して間も無い62年には銀メッキを、89年からは電気銀メッキ技術を利用した製品を手がけていました。その技術は高く、国際的な場での受賞など、世界的に評価されていたようです。しかし、のちにシルバーの光沢感を持つステンレス素材Cromargan(クロマーガン)が開発され、1950年頃からメッキ製品と置き換わり主力製品となります。ちなみに、このCromarganはWilhelm Wagenfeld(ウィルヘルム・ワーゲンフェルト)がWMFで手がけたデザインの素材としても知られています。こちらのアイテムはちょうどその移行期に作られたもの。

スレなど経年相応の使用感がございます。特に塗装が薄くなり地金の色が出現している箇所が見られますが、凹みや錆などはないコンディションの良いものです。
底面にWMFのロゴマークあり