カール・オーボック２世(1900-1957)は、Aubock工房の名前を一躍知らしめた人物。生涯で500点に渡る作品を通して、ウィーンの伝統工芸をモダニズムへと昇華することを成し遂げました。今日ぼくらが目にすることができるものは、ほとんどこの時代にデザインされた傑作といえます。
こちらは、チーズやソーセージなどを切り分ける無垢のウォールナット・ボードに、ナイフとフォークが備えられた「使える＝オブジェ」。ステンレスのナイフ＆フォークはオーボック２世が生み出したアイコンとも言えるカトラリーのフォルム。持ち手に使用された牛の角も、同じくオーボック２世が用いる素材という嬉しい作品。ピクニックにもってこいですが、使うのが勿体無いかも。
製作は1950年前後かと判断します。なぜだかボード裏面にだけカトラリー跡があります（写真7）。またボードの端っこに2mmほどの欠けが見られ（写真4）、カトラリー取っ手のカウホーン端に微細な使用痕と金属部とのごく僅かな隙間が見られる箇所がありますが、トータルには使用感が少なくとても良いヴィンテージコンディションです。ナイフ＆フォークにはオーボック工房の刻印があります。




Carl Auböck カール・オーボック ウッドトレー Vintage