アルヴァ・アアルトのスツール"No.60"のヴィンテージで、第二次世界大戦後に作られた通称”War-Leg”とも呼ばれる珍しいヴァージョンになります。
1933年に発表されて90年近く経つ現在でも、そのミニマルなデザインで世界中で愛され続けるパーマネント・アイテムですが、それだけに様々な変遷を経てきたのも事実です。こちらは人手や物資不足のため従来の工法ではなく、フィンガージョイントにより短い期間だけ作られたもの。くし型にカットした材を組み合わせ、接着剤で固定したほぼ90度の脚には職人技を感じますが、曲げた脚に比べるとやはり耐久性などには問題があったのかもしれません。
ご紹介するものも、脚の再接着によるとみられる垂直方面の歪みが見られます。にもかかわらず、座面の積層や、裏面に残る製作時の線引きなど、現行のものには見られない歴史をかいま見るような感慨があります。
コンディションは小さな付着物や足先の欠け、小傷があります。
脚部は一度外して再構成しているので着座には問題がない状態です。写真をご参照ください。

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