ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルドがデザインした、スタッキング可能な保存容器・ガラスコンテナのブロック"Kubus"は、ワーゲンフェルドの代表作&先駆的な収納食器。ドイツのヴァイスヴァッサ(Weisswasser)地方にあるガラスメーカー、VLG(Vereinigte Lausitzer Glaswerke)のためにデザイン、1938年に製作されました。
冷蔵庫に、省スペースで食品保存できるよう設計されたこれらのガラスコンテナは、そのまま食卓にもサーヴできる質実剛健なデザイン。プレスドガラスと聞くと、チープな印象ですが、その厚さと質感を逆手にとり、コーナーの微妙なカーブを生み出しています。特に、フルセットで置かれる姿は、オブジェ的要素が非常に強い「物体芸術」とでも言いたいその力強さに見惚れます。一個でも手に入れて使ってみると、そのユーティリティとしての確かな存在感を実感することができます。
今回は3種類ですが紹介します。

必要最小限の凹凸によって持ち手が成型されています。ブラボー！
注ぎ口の大きさや角度も絶妙。"Kubus"の中でも特徴的なフォルムで異質な存在感があります。直線的なジャグ。
当時の資料によれば、他のコンテナで見られる90x90mmのガラス蓋は、ニーズによりつけられる選択オプションで、今回紹介するものは、蓋がついていないタイプ。
口縁には経年相応に浅く小さなクラックが所々に見られ、ガラス内部の変質も見られますが、全体的な風合いには支障ないレベル。
少しユニークな場所にVLG製品のマークがあります。

一番下には数個のアイテムを組み合わせたモノクロの参考画像を掲載しています。