Pol Chambost (1906-1983)は彫刻家としてスタートしますがやがてパリに工房を開いて陶芸家となります。その後、生涯にわたって作品を発表し、フランス人に愛されるセラミストとして人気を博すことになります。彼のスタイルには自由な装飾性と、時代に即応した率直なセンスがありました。

一方、こちらはモダニズムを強く感じさせてくれる作品。その簡潔なフォルムには、ジョルジュ・ジューヴなどにも通じる現代的な作家性を感じることができます。
淡い乳白色をしたボディ面は一見滑らかですが、全体に微妙なマチエールがあります。さらに手にとってみると、その適度な重さが実感できます。ポッテリとした姿と力強い取っ手など、ヨーロッパにおけるアーツ＆クラフツの影響がみてとれるようです。それも、フランス的な意味において。
とても良いコンディションのスタジオピースです。底にサイン、モデルナンバーが明記されています。
1950年代の作品だと判断しています。



ポル シャンボスト