直線と曲線を、思いのまま自由に表現するイメージの強いタピオ・ヴィルカラですが、こういった安定感のあるプロポーションもデザインします。
このボトルは1950年代にデザインされ、1959年から1968年まで生産されました。当時は”Wine Glass 2008”とともに愛用されていたようです。参考画像のようにセットで並べるとまた魅力的です。
吹きガラス製法（Turned-mold blown）でできあがるエッジの柔らかなボディも美しいものですが、リムの部分にぐるりとフリーハンドでガラスが巻き付いた様子が、さりげなくクールです。またこの部分がストッパー兼ハンドルの役割も果たし、握りやすさも考慮した設計。
初期イッタラ・カラーならではの深い色が、趣味の良い静物画にそっと描かれていそうな、静かな存在感に魅了されます。

首の下部あたり縦方向に4mmほど、製作時の気泡が見られます。また、内部に水垢でしょうか若干の使用感が残っています。コンディションを考慮したプライスです。
底面カットサイン "T.W."