第二次世界大戦が終結し、ようやく人々が暮らし向きに目を向けるようになると、モダンな家具や調度品が受け入れられ始めます。そんな中、1952年にマシュー・マテゴはオランダの家具メーカーArtimetaに製作とディストリビューション契約を交わします。このマガジンラックもその一つ。雑誌や新聞を置くも良し、そのままオブジェとして置いてあげると一層魅力的とあって、多くのデザインショーで好評を博すことになるのです。
しかし優れたデザインには類似品がつきもの。当時の広告にはこうあります。「この10年間の経験と特許のおかげで、マテゴの作品はそのデザインと品質において模造品よりはるかに秀でています...」。苦肉の策とはいえ、マテゴの人気がいかに高かったことをうかがわせるエピソードですね。
微細なパンチングメタルが織りなすモアレと、端正なフォルムが出会ったマテゴならではの作品です。
小さなペイントロスが散見されますが(写真10枚目)、経年を考慮すると、良好なヴィンテージ・コンディションです。

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