アンティークのメカニカル・ペンシルが入荷しました。
別名マジックペンシルとも呼ばれる伸縮式の筆記具で、シャープペンシルの原型とも言えるアイテム。その歴史は古く、イギリスやフランスで18世紀頃に始まったと言われています。

懐中時計のチェーン等に取り付けられるよう丸カンがついていて、装飾品でもあったようです。爆発的に広まったのは、識字率が向上し、「文字」が一部の特権階級のためだけのものではなくなった辺りから。そのため、素材もデザインもシンプルなものから豪華なものまで幅広く作られたようですが、それでも高価なものだったのは想像に難くなく、それぞれに大切な一本があったのでは無いでしょうか。

こちらは沈胴式タイプで、丸カンの付いた上部を引っ張ると先端がスライドして出てくる機構です。
伸ばすと少し歪みが見られ(画像3枚目)、日常的に使用されていたのでしょう。
芯を入れての動作確認はしていませんが、太めの芯に対応しているようです。

シルバーのような見た目と手触りで、長時間放置するとわずかに変色します。胴部分にはブロンズカラーのフルール・ド・リスが、控えめながらシンボリックにあしらわれています。

機能性は現代のシャープペンシルには劣りますが、この僅か4cmにつみこまれたギミックと工芸品の佇まいは、アンティークしか持ち得ない魅力があります。
ワンアンドオンリーなネックレス・ペンダントトップとしてもおすすめ。