ネイティブ・アメリカンの暮らしの中で信仰されているカチナと呼ばれる聖霊たち。
こちらはズニ族に伝わる「コーンカチナ」と「クラウンカチナ」が遊んでいるところに雷が落ちてくっついてしまった！というエピソードのもと生まれたカチナで、「友愛や仲間」を意味すると言われています。そのユニークさゆえか、人気者なんですが、この高さ66cmという存在感のあるビッグサイズはとりわけ希少です。スーべニールとして作られたものではありません。
ズニの様式に従って彩色された図柄と、長い時間を経て退色した色合いが、なんとも言えない味を生み出しています。頭には、鷲の羽が当時のまましっかりと結ばれています。小さくデフォルメされた両手の形状から、おそらく1900年代初頭に作られたものかと思います。
コンディションですが、どころどころ亀裂が見られます。特に背面は大きな裂け目が見られますが、しっかり乾燥しているため、これ以上進行することはないと思われます。
ほか、左足先などにリペアの跡が見られます。
全体のバランスからして自立は難しいので、壁に吊るすか、立てかけて鑑賞してください。