アルヴァ・アアルトのスツール"No.60"のマイナスネジが使われた、1960年代後期頃のものをフィンランドから持ち帰りました。
1933年、アルヴァ・アアルトによって生み出されたスツール。世界中で愛され続けるそのアノニマスなデザインが、パーマネントなアイテムとして、近年再発見された背景には、混迷化が進む世界にあって、素朴なデザインを見直したいという「静かな意志」の現れかもしれません。
今回のスツールは、過去に少なくとも３人の持ち主がいたと想像できます。おそらく最初はナチュラル・フィニッシュだったものを、2人目の人が赤に塗り替えましたが、3人目の持ち主が赤色を落とし濃いめのナチュラル系にカスタマイズしたのです。座面裏に残る赤は、半世紀の歴史を物語っているかのようです。
全体に経年相応の小傷や染み、使用感はありますが、ポイントとなる3本のアアルトレッグは堅牢で、曲げ部分のコンディションも悪くありません。「アップサイクル」な個性を持った一脚です。

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