タピオ・ヴィルカラの作品といえば、アートピースを紹介する機会が多いのですが、日常使いを目的としてデザインされたグラス、モデルナンバー2064はMOMAにも所蔵されている優れてエレガントな作品なのです。

1956年から1969年までガラス職人の手によって一つ一つ生産されました。
高さが18センチ近くある背の高いグラスは、わずかに弧を描きながら底に向かってテーパードする様が美しすぎます。持ち心地は軽やかで、手を添えた時の姿がとてもエレガント。タピオ・ヴィルカラの美学が息づいています。なんだか、花を一本生けてみたくなりませんか。

こちら、ライラックと呼ばれる、ほんのり赤みのあるカラーリングは他のデザイナーが使う紫とはひと味違った”ペイルトーン”。あの時代にしか存在しない色なのです。また、特有の、小さな気泡が見られます(画像5枚目)。
経年相応の使用感・スレは見られますが、チップやダメージはありません。
トータルには状態良いヴィンテージ。