フィンランドのテキスタイルメーカー、タンペラ社にて1966年から1974年の間に生産された直線と曲線の織りなす紋様のファブリック"Sirkka=Cricket"。
幾何学的なパターンの羅列なのにどこか柔らかさを感じるのは、ダマスク織によるものか、放射線状に伸びる線が花のように見えてくるせいなのか。「クリケット」という名前は謎ですが、どちらにせよ、見たいように見る、というのがナニモノかを限定しないパターンの自由なところです。

Tampella(タンペラ)社は1850年代にフィンランドのタンペレにて創業したテキスタイルメーカーで、グラフィカルなデザインや幾何学的なデザインを全面に打ち出し人気を博しましたが、その後安価な海外製品の台頭などにより徐々に経営悪化、残念ながら1985年にその長い歴史に幕を下ろしました。そのため、現存する資料が少なく、残念ながらこちらのデザイナーも不明ですが、ドラ・ユングに通じるミニマルなクラフト感が素晴らしい一枚です。

ネガポジのように表と裏で色が反転するダマスク織の技法で織られており、こちらは白糸と彩度の低い黄緑糸を使用しています。画像でご覧いただくよりも彩度が控えめかもしれません。そんな色味も併せて落ち着いた雰囲気のあるデザインです。
画像のような糸のほつれが少々見られますが、どれも程度は酷くありません。全体的に使用感はほぼ見られない、良いコンディションです。

イメージ画像では天板サイズ W約1400mmxD780mm のテーブルにカバーしています。