タピオ・ヴィルカラはその70年の生涯で多方面へ興味を持ち、果敢にその触手を伸ばし、数多くの異色な作品を生み出したアーティストです。

例えば1950年にデザインされたこの"Jäkälä(地衣類)"とネーミングされた不思議な形をしたベースです。調べてみると、「地衣類」はよく「苔（コケ）」と混同されていたのですが、実は共生関係を結んでできた複合体だったことが明らかにされています。

そういえばこの灰色と有機的な形は、苔的な緑とは違う、何だか顕微鏡で覗いた「菌類」を思い起こさせませんか。
ちなみに、ヴィルカラは生前こんなことを語っています。「 私の欠点は、多くに興味をもち過ぎてしまうことだ」と。自然を芸術としての価値へと昇華する彼らしい言葉です。
片手で持てないほどの重さがあります。

良いヴィンテージコンディションです。
底面に"TAPIO WIRKKALA 3015"とカットサインがあります。