「ラタン」と「竹」は一見すると似ていますが、ラタンは東南アジアやアフリカなど熱帯に自生するヤシ科の植物です。特徴としては、軽くしなやかで、複雑な曲線加工がしやすいところ。そのため椅子として加工されることも多く、ヨーロッパなどでアール・ヌーヴォー期などに愛用されました。
こちらはフランス製のヴィンテージで、曲線を活かしたデザインと座りやすい低座感でおすすめの一脚。以前アアルト設計のマイレア邸を訪れた際、一階にあるアイノ・アアルトが内装を手がけたという部屋にこのタイプの椅子が置かれていました。まるで小さな植物園のように様々なプランターに囲まれた籐椅子が、とてもお似合いだったことが忘れられません。

とてもしっかりとした構造で、控えめなアームレストがいい具合です。経年による藤の切れが１箇所見られますが、ボンドで補修されています。

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