Price140,000円/税込154,000円
こちらの商品はブランドの意向によりonline shopでのカート販売を控えさせていただいております。
ご希望の方はメールまたはお電話にてお問い合わせください。
アルヴァ・アアルトのスツール"No.60"は、1933年にパイミオのサナトリウムのためにデザインされました。でも行ってみると、そこは結核という当時不治とされた感染病に罹患した人たちが隔離されたとは思えない場所でした。
柔らかなイエローカラーをベースにした廊下と、明るい光がふんだんに差し込む病室、屋上にある曲線を描く長いベランダには寝椅子が並び、陽光を存分に味わえるという、まるで文字通りホスピタリティにあふれるホテルのよう。素晴らしいのです。
ところで1933年という年のことです。この年、ドイツではヒトラーが政権を奪取し、日本は国際連盟を脱退、パレスチナではユダヤ人入植者による暴動が起こるなど、「戦争への曲がり角」の年だったのです。日本の国際連盟脱退を除けば、実に今っぽい状況です。歴史は繰り返す、いや進歩してないと思わざるを得ません。
でもそんな時代にあっても、アアルトの建築や家具は「ヒューモア」にあふれていました。例えばエッセイの中で大戦後のフィンランドの住宅復興について、彼はこう述べています。
「家を建てた人々の顔は微笑で輝いており、そして、ここでは大人から子供まで、家族全員が建設者である。全てに、自分のすべきことを自然に見出す裏庭での子供の遊びを思わせるものがある。(『アルヴァー・アールト エッセイとスケッチ』鹿島出版)」。
話はようやく、スツール"No.60"です。今では世界中で愛され続けるパーマネント・アイテムが、そんな困難の時代に作られたのが僕には偶然とは思えないのです。そこには「裏庭での子供の遊びを思わせる」ような、人間の精神にまで影響を及ぼす”ヒューモア”があるかのようです。
今回は基本形であるバーチ素材のタイプで、1950年代頃のものが入荷しました。脚のスリットは4本、ネジはマイナスです。
座面や脚部など、全体に相応+rekisiの使用感があり、座面表と裏の一部にプライウッドの剥離が見られますが、構造的には問題ありません。
※こちらのアイテムは、ヤマトのらくらく家財宅急便: Sランク でのお届けとなります。そのため代金引換のサービスはご利用いただけませんこと、予めご了承下さい。
Size
シートφ346(W380)×H440mm
From
Finland
Alvar Aalto スツール No.60 Artek アルテック