39歳で早逝したフィンランドのガラスデザイナーGunnel Nyman(グンネル・ニューマン)はガラスという素材を「固まる水」として考えていたのでしょうか。彼女の独特のスタイルは、あるユニークな瞬間を捉えて、完璧な調和を探そうとしたかのです。
そのことを見事に結実させたのが1947年、彼女が世を去る1年前に発表された稀少な作品”String of Pearls（真珠の首飾り）”。なんとロマンティックかつ的確なタイトルでしょう。「見て、この真珠の紐が女性の首のように止まっている」とナイマンは言ったと伝えられている。強さと優しさが奇跡のように調和しているのは、彼女自身の性格を表しているかのよう。ガラス作品を作る際に偶然にできてしまう「気泡」を、コントロールすることで美の表現として固着させたのです。

後年になって一度再生産されたようですが、こちらはオリジナルのヴィンテージとなります。

ボディに数箇所擦り傷が見られますが、クラックなどもなく、経年を考慮すると良いコンディションです。底面に判読しにくいのですが、うっすらとサイン"G.Nyman Nuutajarvi Notsjo-?"が施されています。ずっしりした重量感があります。