藪さんが動物好きなことは、薄々感じていたけれど、「鳥」とは意外です。昔、子供の頃、カナリアや鳩を飼うのが流行っていたけど、「目白」とは渋すぎる。
絵の中の目白は、必死に羽ばたく様子が実に健気で、つい「頑張れ！」と声をかけたくなるのだが、同時にユーモラスでもある。
またある時は、この絵を見たドイツの友人が、これは「はちどり」か？と尋ねてきた。なるほど、そのようにも見えてくる。
そんな割り切れない「両儀的」なところも藪さんらしい。

"ぼかし”のような技法も新鮮だったので、「日本画の影響は？」と問うたところ、「あくまで洋画」と彼は答える。「風景」としての「日本の美」はノンなのだ。