マーク・ロスコは1903年、ロシア帝国の現在のラトビアにあったユダヤ人村に生まれ、その後家族はアメリカのポートランドに移住します。父はマルクス主義者で「激しく反宗教的」でした。ロスコといえば、神話のテーマや悲劇を表現する絵画を描いていました。共産主義と神秘主義。父と子は二律背反な関係にあったかのようです。

その後、ロスコの絵画は具象的要素を排除した抽象表現主義的な表現に至ったのは不思議ではない気がします。それは、「色から始めること」で「複雑な考えをシンプルに表現すること」で、まさに啓示のように向こうからやってきたもの。最終的に、さまざまな色のぼやけたブロックで、独自の生命力を模索するという、「単独的」かつハードな道を選んだのです。それは彼を自死に至らせるまで続きます。そしてロスコの作品は破格の高値で取引されることになります。

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