今も魅力を失なうことのない、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの美しいデザインワーク。バウハウスにおけるマリアンヌ・ブラントの影響を感じさせる「リボルビング式」の灰皿。後にはアルネ・ヤコブセンによって全体をステンレスによる＜シリンダーライン＞として受け継がれることになります。1930年代にモダニズムの先駆けとなるガラス製品の数々を発表した彼の象徴的な作品です。

なんといっても驚くのは、細部にまでいき渡ったヴァーゲンフェルドの設計力。分厚いガラスと、繊細なカーブを描く薄いステンレス製受け皿の治まりが神業的に素晴らしい。もはや灰皿としての役割よりも「単独性」をまとった完璧な造形物なのです。
非常にコンディションの良いものです。