アアルトのスツールは、とてもシンプルに見えますが、実はとても考え抜かれた結果なのです。それも、それまでなかったような方法を用いているのですから、まさに”Less is More”なのです。
例えばこの＜Stool Y 61＞ですが、あのスリットを入れたアアルトレッグを、一旦三角形になるように縦に二つに切断してL字型に曲げ、その四つのU字の部材を貼り合わせることで全体の正方形に辿り着いています。その結果、Y字の脚の接合部に四つの隙間ができることで、実に軽やかな印象が生まれるのです。

1947年にデザインされたこのスツール。見た目も軽やかですが、持ち上げると驚くほど軽量で、当時ずばぬけてモダンなデザインだったことが容易に想像できます。現在では廃盤となっているのが残念です。

ARTEK社製、脚のスリットが4筋のため、1960年代のものだと判断します。ウェービング・テープは、ARTEK社純正の麻素材でオリジナルに忠実に張り替えています。
脚部には擦り傷が見られますが、構造的にも問題がなく、とても良いヴィンテージ・コンディションです。

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