1938年にデザインされた"KUBUS"は、ヴァーゲンフェルドの「最も安価なガラスでも美しいものになる」というスローガンのもと、＜VLG社＞で生産を開始されました。「冷蔵庫からテーブルへ」というキャッチコピーとともに生産が拡大しますが、その主な買い手がフランス海軍だったのは意外ですが、あり得る話です。
C. イームズが実用化したプライウッドは、足を負傷した兵隊のためのギブスとしてアメリカ軍に供給するためだったことに付合します。新しい技術開発と戦争は、皮肉な親和性があるのです。

それはさておき、こちらはVLG社、Weisswasserから製作を引き継いだ＜Sendlinger Optische Glaswerke社＞のいわば"KUBUS"です。それを表すのは三つの丸い輪っかのブランドマーク。その後のブランドマークのないリプロ製品とは違い、ガラスの色や厚みと質感、また細部にわたる独特のフォルムは、VLG社と比べても、全く遜色がありません。

こちらは、90x90mmのタイプですが、リッドとハンドルが装備されたレアなモデルになります。リッドの内側のリムと注ぎ口に5mmくらいのクラックがあります(写真10)。
状態を考慮したプライスです。