Britt-Louise Sundell(ブリット-ルイーズ・サンデル)は、1954年に＜グスタフスベリ＞に参加し、スティグ・リンドベリの指導を受けています。その間、テーブルウェアなどで才能を発揮し、高い評価を得ています。その後1984年にグスタフスベリにおいて、自身のスタジオを持ち、女性陶芸作家としてその才能を開花。様々なコンペに入賞するなど、その作品は今もヨーロッパのやアメリカのデザインミュージアムに保存されています。

古代の遺跡から出土したかのような波打つ模様と、1,3kgの重さを持つこのボウルは、作家としてのBritt-Louise Sundellをよく表しています。その特徴は、陶器と磁器の中間にあたる性質を持った焼成法にあります。それは、陶土に”シャモット”と呼ばれる細かい砂を混ぜ、独特のざらざらした質感を生み出す手法で、単独のクラフト感を生み出しています。

それにしても、この波打つ紋様のプリミティブさは、どうでしょう。見る者に何かを語りかけているかのよう。それとも”案外虚心坦懐”の技？指で端っこを弾いてみたら「チーン」と乾いた音がします。1950年代のスタジオ作品。

波打つ太い線に、欠けたように見える箇所がありますが、いずれも釉薬が載っていますのでダメージではなく、生成時にできたものです。作家とスタジオワークのサインがあります。コンディション良好。
裏面には"HAND MADE"、デザイナーのサイン"BS"あり。