1933年(資料によっては1935年とも)にアルヴァ・アアルトがデザインした椅子"No.68"は、66や69に比べるとおとなしめですが、実は見逃せない名作です。
1935年に完成したアアルト設計のヴィープリ図書館では、スツール"No.60"とともに、この椅子のナチュラルバーチのタイプがずらりと並ぶ当時の写真は、とても印象的です。

実のところ、アアルトのチェア中、掛け心地が良く、強めにラウンドした背もたれが特徴で、ダイニングチェアとしてイチオシなのがこちらです。今回紹介するものはシートにヴァイナルレザーを使ったArtekのオリジナル。マイナスビスと脚の4本スリットが使用されているため1960年代のものと判断します。

背もたれにスレが見られますが、その他は時代を考慮すると使用感は少なく、とても良いコンディション。シートの破れもなく、今はなき型押しのヴァイナルレザーがいい味。蜂蜜色の木と優しげにコラボした、フツーで非凡な一脚です。

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