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13世紀頃のタイ、カンボジア、ベトナム、ビルマなどの東南アジアには、広く土器づくりの文化がありました。
なかでもタイの中北部地方の陶磁器は、当時のスコータイ王朝や、その後のチェンマイ周辺の数多くの窯から出土したものに、特にユニークなものが見られます。
こちらは偶然1952年に発見された<サンカンペーン窯>で発掘された15世紀の”双魚文鉢”です。
「魚」はこの地方の陶器によく見られるモチーフ。「水に魚あり、田に米あり」と言うように、魚は古くから豊かさや繁栄、生命力の象徴とされてきましたし、なによりも大切なタンパク源でもありました。描かれた魚は、当時の人々の暮らしへの願いや自然への感謝を表しています。
デフォルメされた魚が、鉄釉独特のタッチを得て、とてもユーモラス。いつも穏やかな笑顔を絶やさない北部タイの人々を思い起こします。大ぶりな深皿は、香草や鶏をたくさん盛って使うもよし、眺めるのもよし。目立たない小傷はありますが、発掘品としては大きなダメージもなくとても良いコンディション。ミュージアムクラスの作品です。