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17世紀以降の李朝の陶器は、それまで受けてきた中国陶器の「上手物(じょうてもの)」の影響を脱し、かといって「下手物(げてもの)」でもない独自の技術や様式へと変化していきました。
そのことは、完璧な装飾はそれとなく避けることだったようです。それについて柳宗悦氏は、「李朝の器というものは生まれ出たものである。作られたものではない」という言葉を残しました。
たとえば、この酒器の抑制された"日常の美しさ”には意味深な作為がありません。
白釉を「履け目」で施し、その上に「三島」の特徴である「彫り」をシンプルな円状に配し、焼成時に表面に美しい「貫入を生成する」というベーシックな技法だけがあるだけです。その結果、素直な逸品が生まれたにすぎないのです。
口縁に一箇所、釉ダレが見られますが、そのほかには目立つダメージはありません。