1950年代に作陶されたテーブルウェア中、特に象徴的な作品。「掻き落とし」技法が用いられたカップ＆ソーサーです。
マンガン褐色の釉薬の上から極細な線を描くという、非常に繊細な装飾技法が施されたカップの表情は、素晴らしいものです。
ハンス・コパーと共作したもので、カップの裏面にはふたりのスタンプ・サインがあります。
状態について、ソーサーの高台（裏面）に2カ所小さな凹みがあります。また、ソーサー裏面に通称「ヘアライン」とよばれる髪の毛ほどの細さのヒビ（1.5cm）はありますが、表面のほうは損傷が少なく（5mm）目を凝らしても見えないほどのものです。
いずれにしても、ふたりの作家に共同制作されたこの「掻き落とし」テーブルウェアは、非常に希少なミュージアムピースです。
カップ口直径約8×高さ6.5cm
ソーサー直径約13.7cm
Lucie Rie ルーシー・リー ハンス・コパー Hans Coper