Tapio Wirkkala "Brilliant" Lilac

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1959年発表の、レストランに向けてデザインされたカクテル・グラス。
1956年フィンランドのガラス産業の275周年の式典で発表されたフォルムと近しいフォルムをしていますが、こちらはステムにカットが施されているタイプ。よりクラシカルな雰囲気が漂います。

吹きガラスの手法のみで製作された56年のタイプと大きく異なるのは、生産性を高めるためにプレスド・ガラスの手法を取り入れたことでしょう。
こちら、ボウル部分は従来のモールドを使用した吹きガラス、そしてステム部分にはプレスされたガラス2種類を接合し作られています。ステムの箇所は外側と内側にそれぞれ横・縦にラインが走っており、格子模様のカットが施されているかのように見えます。ぱっと見ると気が付きませんが、この"違和感の無さ"にいきつくまで試行錯誤を繰り返した、苦心の作と言えるかもしれません。

もう一色の光沢感のあるピンクカラーのタイプも作られたようですが、どちらも色がついたタイプの製造期間はクリアに比べて短いもの。イッタラ社では一度"ブリリアント"シリーズは1962年5月1日に製造中止になりました。しかしレストラン業界の尽力によりリーヒマキ社にて71年まで製造が続きました。

製造期間 iittala 1959-62, Riihimaki 1963-71
直径7.5cm 高さ9.5cm
ウィルカラ フィンランド finish 150814 170802 190720