1950年代のカイ・フランクは、ガラス・オブジェの製作技法の多くを＜ムラノガラス＞に学んでいます。それは同時期のグンネル・ニューマンも同じで、ヨーロッパのガラス芸術のテクニック習得は、その後のフィニッシュ・ガラスの独自性を育んだにちがいありません。
この美しいベースは、ムラノガラスの影響を、よりシンプルな形で表現した、カイ・フランクならではの作品。"Air filigree"と呼ばれるらせん状の装飾が、過剰ではなく、静かに、ノーブルに施されています。古いガラスに特徴的な微細な粒つぶが、全体を淡い緑に見せてくれかのようです。

ボディの下部分には、数カ所極小キズが見られますが、トータルには状態良いヴィンテージと判断します。同シリーズのサイズ違いとともに撮影した参考画像もどうぞご覧ください。
底面に特徴的なサイン "K.Franck Nuutajärvi Notsjö"あり。