アルヴァ・アアルトに限らず、優れた建築家やデザイナーは優れた画家でもあります。とりわけ、構想時に彼らが描いたスケッチなどには、すでにその建物や作品のエッセンスが横溢していることが感じられます。
20年ほど前だったか、確かオランダで初めてのアアルト展を観て家具にも感心したのですが、自身が描いたという絵にびっくりしました。抽象と具象を併せ持ったストレートな表現にニコラ・ドゥ・スタールみたいだなあ、と勝手に想像した覚えがあります。
今回ヘルシンキで発見したのは、1986年にUusikivipaino Oyで印刷された展示会用のオリジナルのポスターです。聞くところでは、旦那さんがIittalaに勤めていた時代に持っていたという、小さなヴィンテージガラス・ショップを営んでいる高齢のご婦人から譲っていただきました。
確かに、その後何度かリイシューされたものと比較すると、紙質も違いIittalaのマークもなく、オフセット印刷にもかかわらず、その濃い色合いと、紙の破れなど細かなディテールのリアルさに際立った違いを見せてくれます。
１箇所だけ8mmほどの丸いシミ跡があります。また経年による弱い折り跡はありますが、額装後にはあまり目立たない程度だと思います。ポスターのみの販売です。