フランスの陶芸作家、Danielle et Jacques Ruelland (ダニ・リュエラン[1933-]とジャック・リュエラン[1926-2008])の、オブジェ作品をはじめて紹介します。
そこにあるだけで、緻密に交わる釉薬の濃淡、斑点といった釉薬表情を味わえるもので、まるで生き物のような佇まい。
リュエランの作品は1970年代以降頃からテーブルウェア的なものからより実験的に、アーティスティックに変化していく様子が伺えます。このオブジェもその時代に製作されたもの。

繊細な非対称のフォルムは、多くの自然からインスピレーションされた妻のDanielle(ダニ)がまず輪郭のスケッチをおこし、それをジャックとともに、具現化していくといった、とても緻密な共同作業から生み出されたものですが、このオブジェは、とくに彼らが追求したと思われる"形の起源"へのリスペクトを感じさせる逸品で、唯一無二の風格です。

裏面エッジ部分に"Ruelland"のサインあり。